何も置かないスペースを作れ。
置きすぎ、詰めすぎ、作り過ぎ。
迷惑かつ時代遅れなのでやめたほうが良い。
具体的に身近なところから説明していくと、自宅のクローゼットにかけてある服だ。ギチギチに詰め込んではいないだろうか?
同じスペースなのだから詰め込んだほうが得だ、みたいな考えは捨てたほうが良い。まずクローゼットの見た目が良くない。それから服と服が擦れるし、シワになる。劣化が早くなる可能性もあるだろう。
一番の害は、朝起きてスッとストレスなく服がとりだせないことだ。これは毎日続くので、あなたは自動的に自分に対してストレスを毎日与えていることになる。身体にとって最も害を与えるのがストレス。タバコ、アルコールよりも、ストレスである。
クローゼット一つで人生が変わることがお分かりいただけたかと思うが、次に部屋全体を見てみよう。
使っていない物が多いほど、損をしている。物が多いと単純に掃除に時間がかかる。物によってはメンテナンスが必要なものもあるだろう。それから、化学物質の問題もある。
余計な物から発生するハウスダストのようなものが部屋の空気を汚し、部屋が少しずつ不快になっていく。動線が塞がれていると、これもけっこうなストレスとなる。
私が一番お伝えしたいのは、住宅地だ。町や地域そのものが、詰め込みすぎてゴミ屋敷と化している。巨大なゴミシティだ。ギチギチに詰め込んでいて、一切のスペースが無い。
「遊び」が存在していないのである。車を運転した方は分かると思うが、ハンドルに遊びが無ければ、誰もが壁に突っ込んでしまう。
一見無駄に見えるハンドルの遊びが、人間には必要なのである。全ての無駄を排除し効率だけを追い求めてきた結果、日本は最も非効率な国になった。すでに韓国にGDPが抜かれたという話も聞く。人間には「遊び」が必要なのだ。
非効率こそが、実は最も効率的なのである。