バリカン生活【5年目】
私のバリカン生活は5年目に突入した。
と思う。年数など数えてはいないが。そのくらいは経っているはずだ。
今ではプロに髪を切ってもらうよりも、自分で切ったほうが仕上がりが良い。私のセンスがずば抜けているのか、それともプロにセンスがないのか。
いずれにせよ、金は貯まるし、夜中だろうが好きなときに髪を切れるのだ。
移動の時間はゼロ、待ち時間もゼロ、くだらん会話でストレスが貯まる可能性もゼロである。
なにより1番良いのは、回数をこなすごとに、自分のスキルが上がっていくことだ。
はじめは下手だったが、今では目で頭を見ることなく髪を切ることもできる。
そう、私はさまざまなバリカン上位スキルを習得しているのだ。首の後ろも問題ない。
私は上に載せたフィリップスのバリカンをずっと使っている。コレは一人で後ろの毛も切れるのだ。そしてメンテナンスがいらない。油をさしたりはしなくて良い。
使ったら本体を水で流して、終わりだ。それで何年も持つので、元は取れる。いやそれどころか、かなりの金額が浮いていることになる。
というか、私は金に困ったら、このバリカン1つで稼いでいける自信がある。【5年】の実績があるからだ。今までの経験と感覚。それを持って何人もの髪を切ることができるだろう。
つまり、私はいつの間にかフィリップスのバリカン職人になっていたのだ。
弟子入りしたつもりはない。だが気がつけば私は職人になっていた。そう、これが最大のメリット。
自分の身になるのだ。
さすがに何年も使っていると切るときの音がうるさくなってくるが、それでもまだ使えるのは驚きだ。
私はメンテナンスを一切したくないので、音がうるさくなった時に2台目を買った。今使っているのはその2台目になる。
2台買おうが3台買おうが、店で切った場合と比べるとカット代は5年で3分の1以下になる計算。
そしてこういった、気がついたらスキルが身につく系のものは、早くはじめればはじめるほど良い。
後になってレバレッジが効くというか、時間が経過すればするほど、その効力は増していく。
もし私に子供がいたなら、まだランドセルを背負っているうちからバリカンの英才教育を施すだろう。
「早めにやっておいたほうがいい事って、あるんだな。」
私はバリカンからこんなことを学んだのであった……。
今回は以上になります。